Desktop as a Service(DaaS)のコスト削減

DaaS(Desktop as a Service)とは、VDI(デスクトップ仮想化)の一種である仮想デスクトップ基盤を第三者が扱うサービスです。DaaSプロバイダは、インフラの設定、クラウドサービスとしてのデータの保存・バックアップ、セキュリティ対応、アプリケーションのインストール、アップグレードなどのサービスを提供します。このようなDaaSソリューションの利便性は明らかですが、DaaSの提供する隠れたメリットとして存在するのが、ビジネス上のコスト削減の効能です。適切な洞察と計画があれば、DaaSを導入する事によってコスト削減に伴うROIを迅速に得ることができます。本記事では、優れたDaaSソリューションが企業の収益に貢献する方法をいくつか紹介します。

DaaSのメリット:オフィス機器のメンテナンスが楽に

アップデート

DaaSソリューションを利用する上で最大の魅力の一つは、導入企業の情報システム担当者の負担を軽減することです。従来の機器のセットアップでは、情報システム担当者は特定の修正やアップデートを個別に適用するために、各支店や支社を訪問する必要があるかもしれません。対してDaaSソリューションでは、クラウド型のDaaSサービスで保持するイメージにアップデートを適用し、その変更をすべての仮想デスクトップへと反映させることで大幅な時間を節約することができます。

例えば情報システム部の担当者の時給が2000円とします。そのような状況下で、情報システム部の従業員が月に30分ほどかけて各マシンのアップデートを行うとすると、各支社の合計で年間合計20万円近くになります(機器は多数存在するため)。またアップデートに30分以上かかる場合や、より経験の無いスタッフがこのタスクを処理する場合は、それ以上の隠れたコストが発生しています。DaaSでは、すべての支社にある全ての端末の更新を、1台数分程度の時間で行うことができます。

セキュリティ

多くのクラウド型ソリューションと同様に、DaaSベンダーはソリューションがクラウドサーバ上にあるので、エンドポイントのセキュリティも担保します。このセキュリティ対策には、セキュリティソフトウェアや、サイバー攻撃の可能性を回避するためのさまざまなベストプラクティスが含まれています。またセキュリティ対策自体はパッケージの一部であるため、クライアントのセキュリティを最新の状態に保つための追加コストは不要です。

昨今の現代社会においては、データを保護することが最も重要になっています。テクノロジーを利用した企業はサイバー犯罪に対してどうしても脆弱です。実際、米国の「平均的な」企業は、そのせいで年間1540万ドルの損失を出していると報告されています。DaaSを導入していれば、すべての金銭的損失は避けられたかもしれません。DaaSの導入により、良いデータ保護を事前に設定することで、より安全な労務環境を実現します。

DaaSのメリット:新しい端末の導入時間を削減

新しい仮想デスクトップやワークステーションの導入は、一般的に非常に簡単です。従来のセットアップでは、新しい従業員のために新しい従来の業務端末を準備するために、ITスタッフが30分から1日以上の作業時間を費やす必要があるケースもあります。

なぜなら、DaaSを利用することで、情報システム担当者はクラウドサーバー上のイメージから、新しい環境のセットアップができるからです。このようなDaaSの利用はわずか数分で完了し、従来のデスクトップ へのセットアップでで数時間かかっていたのに比べれば、大幅に改善されています。

永続性と非永続性

ほとんどの DaaS ソリューションはデフォルトで永続化されており、各ユーザのデータやインストールしたアプリケーションを含む個々の仮想マシンは、ユーザがログオフしたときにプロバイダのサーバに保存されるようになっています。しかし非永続的なDaaSソリューションを持つことも可能だ。

逆に非永続的なDaaSソリューションでは、サーバ側には個別の設定やデータが保持されません。その代わり、クラウドのイメージはユーザーがログオンするたびに新しいデスクトップイメージとして適応されます。このようなソリューションが存在することは、すべての企業のニーズに対応できない場合でも、DaaS を利用して新たなデスクトップ・インスタンスを簡単に作成できることを物語っているといえます。

ソフトウェアライセンス

デスクトップのデプロイは簡単ですが、ソフトウェアやOSのライセンスは通常それぞれの会社に任されています。つまり各仮想マシンには、WindowsやMicrosoft Offi ceなどのプログラムのライセンスが必要になるということです。DaaSプロバイダーの中にはこのライセンスをパッケージの一部として提供しているところもありますが、パッケージに含まれていないプロバイダーの場合は、競合他社に比べてコストが低く見えます。しかし実態としては各種ソフトウェア・ライセンスが加算され、見かけ上の割引を相殺してしまう可能性もあります。

DaaSのメリット:コンプライアンス遵守が容易に

機密性の高い顧客を扱う組織は、データの取り扱いに関する政府の規制に準拠するために必要な情報を保存し、処理しています。例えば、医療機関はHIPAAガイドラインを遵守する必要があり、クレジットカードデータを保存する企業はPCI-DSSを遵守しなければなりません。これらの基準に違反した場合高額な罰金が科せられる可能性があります。単一の HIPAA 違反に対する罰金は、100 ドルから 50,000 ドルに及ぶことがあります。

企業の情報システム部門がこれらの標準に準拠するために必要な時間は、どの標準に準拠しなければならないか、また組織の規模によっても異なります。DaaS プロバイダは、これらの標準の多くを熟知しており、それぞれの標準をどのように遵守するかを熟知している傾向があります。優れたDaaSソリューションであれば、すでに業界標準に準拠した環境を即座にクライアントへ反映させることができ、時間と労力を節約できるだけでなく、コストのかかる違反料金を回避することもできます。

DaaSのメリット:サーバー容量の削減が可能

サーバー容量は、特に組織が成長するにつれて、大きなコストになることがあります。ご存知のように、サーバー1台に3000ドル以上の費用がかかることもあります。大抵サーバーの寿命は約4~5年で、サーバー1台あたり月50~60ドルの価値があります。

そのようにサーバーを自社運用していく大体手段として、企業はDaaSやVDIプロバイダーを通じてデータをクラウドに持っていくことができます。
このようにDaaSソリューションへサーバー容量をアウトソーシングすることで、サーバーの設置やメンテナンス、交換時期の監視にかかる費用を削減することができます。また、サーバーを保管するために必要な物理的なスペースを節約することができ、レンタルコストを削減できる可能性があります。

DaaSのメリット:従業員の自由と責任を拡大

DaaSを利用することで、ユーザーはモバイルデバイス、ラップトップ、オフィスのデスクトップコンピュータなど、あらゆるデバイスからまったく同じデスクトップ(すべてのデータを含む)にアクセスすることができるというメリットがあります。これは頻繁に出張したりするようなリモートで業務を行えるようになるというテレワーク対応としてもメリットがあり、特に特定の業界や職種では便利です。

従業員が完全にリモートで(テレワーク環境で)仕事をする可能性がある場合、企業は家具に関連するすべてのコストと一緒に、オフィススペースのレンタルコストを節約することができます。また、従業員が自分のデバイスを職場に持ち込むこと(BYODの実施)ができるため、機器の供給コストを削減することができるというメリットもあります。

デバイスの障害

従来のデスクトップ環境では、デバイスの故障は壊滅的な問題になることがあります。デバイスの故障によって重要なデータや進捗状況が失われた場合、失われた作業を復旧させるなどの再構築には多大な時間と労力が必要になります。DaaSの場合、情報はDaaSプロバイダーのクラウドサーバー(外部サーバー)に保存・バックアップされるため、データを失うことはほぼありえません。また一度故障したデバイスが発生しても、端末自体を交換してしまえば、ユーザーはその端末の設定にかかる時間を気にすることなく元の作業を続けることができます。

DaaSのメリット:エンドクライアント機器の管理が容易に

従来のデスクトップ環境では、すべての労務環境に独自のハードドライブと技術的な仕様が必要でした。それに対してDaaSソリューションの特徴は、アプリケーションやOSがすべて仮想化されていることで、クライアントデバイスが特定のハードウェアを持つ必要性を減らすことができる、あるいはなくすことができるというメリットがあります。そのため、DaaSに取り組む企業にとって、シッククライアントはリーズナブルな(しかも非常に安価な)選択肢となりえます。

シッククライアント

この文脈では、従来のデスクトップコンピュータはシッククライアントとして知られています。対照的にシンクライアントは、仮想デスクトップにアクセスするためのソフトウェアを搭載しており、それ以外の機能はほとんどありません。まれにシンクライアントにもメンテナンスが必要なソフトウェアがインストールされている場合もあります。しかし、基本的にはシンクライアントはデバイス自体では処理をしない形になっており、それによる低消費電力が実現し、コストを抑えることもメリットとしては存在します。通常これらのデバイスは300ドル、200ドル程度の価格で提供されています。

シンクライアントは、シッククライアントに比べて作業負荷が軽いため、一般的に長持ちします。メンテナンスが必要な場合もありますが、故障する可能性のある部品が少なく、交換する部品も安価です。比較のために言及すると、ファットクライアントのコストが600ドルで4年持続する、対してシッククライアントは300ドルのコストと6年を持続させる事ができる場合、ファットクライアントは12.50ドル/月の費用がかかりますが、シッククライアントは約4.17ドル/月の費用がかかります。これは確かに魅力的な価格だと言えるでしょう。

ゼロクライアント

シンクライアントに代わるものとして、ゼロクライアントがあります。これらのデバイスは、シンクライアントと同じ方法で仮想デスクトップ空間にアクセスしますが、他のソフトウェアは一切インストールされていません。これらのデバイスの中には、ハードドライブが付いていないものもあります。ゼロクライアントの価格は通常、シンクライアントと比べても対して安くなっている訳ではありません。その代わり、企業はデバイス自体に必要なメンテナンスの量が少なくて済むため、そういった管理コスト削減の効果は期待できます。

シンクライアントとしてのシッククライアント

シッククライアントは、シンクライアントソフトウェアを使用することができます。しかし、このオプションはコスト削減にはならないので、ほとんどの企業にはアピールできません。ただし、現代の標準的なパワーに達していない作業用コンピュータをシンクライアントとして再利用することができることも意味します。その意味ではメリットになりうるでしょう。

新品で軽量機を購入した方が、古いパソコンを安く買うよりも投資になる可能性は高いですが、すでに所有している古い機械は無駄にする必要はありません。また、デバイス(古いPC、新しいPC、Mac、タブレットなど)に関係なく、全従業員が標準的なデスクトップを使用することで、ITサポートの問題やそれに伴うコストを削減できることも注目に値します。

DaaSのメリット:拡張が容易

仮想デスクトップはオンデマンドで簡単に作成・破棄できるため、DaaSプロバイダーは必要に応じてクライアントにスケールアップ・ダウン機能を提供しています。一般的には、システム上で許可されているデスクトップ数やユーザー数に応じて価格を上下させることができるような仕様が多いです。これは、迅速にスタッフを追加雇用したい企業や、人員が多すぎて少人数にスケールバックしたい企業にとっては有用だと言えるでしょう。

また、スケールアップやスケールダウンが可能なため、企業は低コストでセットアップを試すことができます。企業は少数の課金サイクルでマシンの数を増やすことができ、また、既存の仮想マシンに影響を与えることなく、新しいセットアップやプログラムの新しいスイートをテストするために新しい仮想スペースを使用することができます。最適なセットアップが決定されれば、追加の仮想マシンは(変更が標準マシンに適用されているかどうかに関わらず)リリースされ、価格は元のニーズのセットに戻ることができます。

DaaSのメリット:課金形式によるコストメリット

DaaSソリューションは、一般的に月額課金で運営されているサービスが多いです。また、DaaSは他の光熱費と同様に事業費とみなすことができ、サーバ・スペースやセキュリティ・ソフトウェアなどの費用をカバーすることができるため、これらの必要経費の多くを税金控除として計上することができる可能性があります。

また、ほとんどのDaaSソリューションのサブスクリプション課金方式は、企業に予測可能な定期的な費用を提供します。値上がりする場合は、DaaSプロバイダーがサービスレベルを上げる必要があるケースでのみ上昇します。

DaaSのメリット:ダウンタイムに対するリスク低減

DaaSプロバイダーの中には、ダウンタイムゼロのサービスを提供している(SLAなどで保証)ところもあり、通常は、ハードウェア障害が発生した場合に切り替えられるバックアップサーバーのようなコンポーネントの冗長性によって、ダウンタイムをゼロにすることができます。提供する製品やサービスによっては、過剰なダウンタイムは企業にとって致命的な影響を与える可能性があるため、潜在的な中断を回避できることは、リスクを軽減する上で非常に有効な手段であると言えるでしょう。

仮想デスクトップの展開は、すべてのユーザーに対して一貫したものになります。各ユーザーは自分の環境に変更を加えることができますが、すべて同じイメージをベースにしているため、特定のユーザーに固有の問題が発生する可能性は低いと考えられます。逆に万が一大きな問題が発生した場合にはすべてのユーザーに影響を与えうるという懸念もありますが、コアとなるイメージは一つなので、コアイメージさえ修正すれば一斉に修正を反映する事ができるので安心です。このようなDaaSの特徴により、ユーザー間での突然の未知の問題や矛盾のリスクを排除することができます。もう一つの追加で存在するDaaSのメリットは、発生する可能性のある技術的な問題はすべてプロバイダが処理する事になっているため、何かしらのインシデントに対応する必要があったりするケースでも、情報システム部の人間がそれらへの対処に作業時間を必要とするケースはありません。

DaaSのメリットまとめ

DaaSソリューションは、企業の情報システム部門の時間を大幅に削減し、定期的なメンテナンスだけではなく、より意味のあるタスクに集中できるようにします。

企業はDaaSを導入することによって、ユーザー固有の技術的な問題や外部からの攻撃、ハードウェアの障害が従業員の生産性に影響を与えるリスクを減らすことができます。また、ハードウェアと従業員自身をオフサイトに置くことで、クライアントは家賃の支払い(およびその他の間接費)を大幅に削減することができます。さらに、DaaSの導入を最終的に決定する前に、当面のニーズに合わせてスケールアップしたり、実験をしたりすることもできるでしょう。DaaSプロバイダーは、企業の多くの負担を軽減することができ、同時に企業は多くの金銭的負担から身を守ることを助けてくれます。

このようにDaaSソリューションを有効活用できる企業は、企業成功のために大きな時間及び金銭面でメリットを得られるでしょう。

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